極地で活動する時には正しい防寒着を身につけよう

日本で最も寒いのは東北などの豪雪地帯、あるいは、山の斜面を利用したスキー場といった冬季の観光施設です。しかし、生鮮食品を長期的に保管しておくための業務用の冷凍庫や北極のような極地では、日本の低地における自然とは比べ物にならないレベルの寒さが待っています。

オーロラを鑑賞するツアー等では実際に現地まで足を運ぶので、必ず正しい防寒着を身につけなければいけません。


防寒着を揃えよう

野生動物の姿すら限られている極地では、極限の寒さに耐えられるだけの構造の防寒着を揃えることが大切です。極地用の防寒着では、衣類と肌の間に空気の層をいくつも作ることで人間が生存できる温度を維持します。保温のために重ね着をするのが特徴的で、実績があるメーカーの正規品を適切な組み合わせで着用することが鉄則です。

もしも誤った重ね着で現地まで行ってしまうと、体から発生した汗が内部でたまって体温が急激に下がるなどのトラブルになってしまうので気をつけましょう。肌と触れる部分には、汗の対策として吸収と乾燥に優れたドライの素材が適しています。

ぴったりと肌をフォローしてもらう反面、人体の動きを妨げない柔軟性があることも重要です。

それぞれの性能や役割

ミドルのレイヤーとしてはセーター類がよく選ばれており、インナー用のジャケットも人気があります。ミドルの上にアウターを重ねることで、ようやく極寒に負けないだけの防寒着のセットが完成します。ダウンジャケットにはアウター用とインナー用の2種類があって、それぞれで性能と役割が違うので、きちんと確認してから購入しましょう。

究極の寒さに耐えるには、人体の末端である手足もしっかりと保護しなければいけません。手袋は必ず極地用の高性能のタイプを準備して、靴と靴下についても同じく専用のタイプを揃えるのがポイントです。生命活動を守るために人体は末端から保温をやめていくので、自宅にあるスキーウェアの類を使えばいいやと考えているとかなりの代償を払わされる結末になってしまいます。

手足からもかなり発汗をするため、動きやすくて湿気を外に逃がしつつ保温性能が高いものを着用するのが鉄則です。手袋ではインナーとアウターの二重構造が多く、カメラの操作といった細かい作業では一時的にアウターを外すといった対処を行います。


帽子や靴にも注目

意外に忘れがちなのが帽子で、耳まですっぽりと覆ってくれるニット帽などが必要です。厚手と薄手の両方があると昼と夜で使い分けができる上に、いざという時には重ね着によって頭部を守れます。頭部はむき出しになっている部位だから、アウターのジャケットにあるフードだけではなく、帽子の準備によっても寒さ対策をしておくのがお勧めです。

靴については、寒さと長時間の歩行による消耗の2つに耐えるだけの性能が求められます。極地では地面が凍結しているケースが多く、高いグリップ力を維持しながらも足が疲れにくい構造であることが大切です。寒気が一番入り込んできやすい部分だから、防寒着と一緒に現地の寒さに対応できることが明記されたものを選びましょう。

登山のように高低差がある地形や長時間の歩行がある場合は、自分にとって歩きやすいことも必須条件の1つです。


事前準備が重要

仕事や個人的な趣味によって極寒の地に赴く時には、専門店でお金を惜しまずに性能が表記されているメーカー品を買いましょう。セットで着用することで効果を発揮するから、予算が十分にあるのかを調べてから店舗へ出向いた方が賢明です。

自宅まで商品を届けてくれるネット通販で購入すると便利ですが、初心者は経験豊富なスタッフがいる店舗で相談しながら揃えた方が色々な点で助かります。仕事で使用する場合は、作業の安全性や現場の規則にも注意しましょう。

勝手な判断で自分が選んだものにして事故があった時には、本来なら適用されるはずの労災などに影響する可能性があります。極地で身につける防寒着は自分の命を守るのと同時に周囲にいる他の人間を守るためでもあるので、想定されている温度といったスペックに加えて周囲のルールや環境も要チェックです。

日常的に使用していると性能の低下や破損箇所が出てくるため、使用前の点検と交換も行っておきましょう。

無理は禁物

個人が遭遇するケースとしては、標高がある山の頂上への登山や、海外の寒冷地へのツアーです。登山については原則的に自己責任で登るので装備を揃える必要がありますが、ツアーについては一式をレンタルできる形式がよく見られます。

レンタル料を追加で支払うだけで全て借りられるので、素直に利用しましょう。極限の寒さでは日常生活とは環境が全く違うので、ツアーの引率者の指示をしっかり守ることがポイントです。極寒の地ではどれだけ重ね着をしても人間が安全に行動できる時間は限られているから、現地に行くまでの体調管理を万全にしつつ、無理をしないことを心がけましょう。

現在の衣類に関する技術はとても高度で、適切な対策をしていれば快適に動けます。